初日

朝から金沢でサッカーの予定で7時30分頃に車に乗り込もうとしたところで,
病棟から電話.
患者が急変したとのこと.
処置が全て終わって病棟でカルテを書いていたら...
突然の揺れ.
まだ続くか...と思いながら何とか立ち上がってすぐに病棟の各部屋に飛び込んで患者の確認をした.
一人廊下を歩いていた人が転んで頭を打ったが,軽症.
そのあとに救急外来に向かって行ったが,そんなにすぐに患者が来る訳もなく...
家に連絡できないのでとりあえず車で往復.
子供も妻も無事.家の中は確認する暇もなくすぐに病院に戻った.
それからトリアージの準備をして(病院の吹き抜けのエントランスのソファなどを利用して会場設置),来る患者の処置にあたった.
なんだかんだで今日一日で私が担当した患者からは縫合は2件,入院の骨折が8人.外来診察の骨折が5人.
地震直後はほぼ全ての機械が停止していたためレントゲン・CTが動かない.
動いてもデジタル(FCR)なので処理がうまくいかない...
ほとんどの画像はモニター上で確認して骨折などを判断した.
フィルムがちゃんと出てきたのはやっと夕方近くになって.
まぁトリアージする分には困らないのですが.
入院の必要のある患者はとりあえず入院させて(比較的に病棟は落ち着いていたので),
あとから細かい指示出しで事なきを得ていました.
入院患者も骨折はあるもののいわゆる「重体」はなく,
まずは安静臥床の方ばかりだったのが幸いです.

このような経験をしてまず思ったのはやはり人の力.
休日だったので基本的に院内に通常の勤務をしている人間は少ないのですが,
わんさかと職員が沸いてきて動いています.
中には自宅が倒壊したにも関わらず来ている人もいたり.
まさにマンパワーを感じた瞬間です.

困ったのは全く連絡ができないこと.
ほとんどの職員は家族の安否を確認できないままずっと仕事をこなしていて
(私は車で往復することが出来ましたが...)
やっと昼ごろになって連絡できるようになってから連絡したり.
必要な連絡(ヘリコプター要請とか)も取れないこともあって
どの回線が開いていてどれが閉じているのかが分かるとありがたいのかなと思いました.

残念ながら自宅が断水状態で,なおかつ古い借家なので余震による障害や倒壊も怖かったので
子供と妻は夕方に比較的離れている県内の実家に非難させました.
通常なら能登有料道路を使って2時間ですが,
今日は北陸道以外は下道使用で4時間近くかかってました.
あらためて能登有料道路のありがたみを感じました.

私も倒壊は怖いので病院にそのまま泊まることに.

明日からは予定の手術もあるのですが,緊急性にないものは延期することになりそうです.

今日はいわゆる一次災害で外傷(≒整形外科)で忙しかったのですが,
明日からは非難所での2次的な障害(インフルエンザや心疾患,ストレス系の疾患)が多くなると思われるので
ますますマンパワーが必要そうです.

あと交通は保たれているので食品などは大丈夫そうですが,
水が問題です.
断水が続いていて給水車の助けがかなり要りそうです.
スーパーではあっという間にミネラルウォーター系がなくなっていたそうです.
まぁ,ここの場合は少し山手にいくと水道水ではないところが多いので
少しましですが.
水が足りなくなったら某大臣に高〜い水を寄付してもらおうかしらん...

とりとめのない内容でしたが,1日目はこんなもんで.
余震が多いので(4時頃の余震は5弱もあってかなりびっくり),まだまだ予断は許さない状況です.
余震のたびに外傷が来ますので.
また明日もがんばります.